小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

少年ディストラクション

…朝だった。 瞼の向こうに滲んだ陽光に脳みそは嫌が応にも目を覚ます。 ふわふわとしていた夢から意識が浮上し、ベッドに沈む自分の姿形を自覚する。 もう少し眠っていたい思いを無理矢理叩きつけて、起床する事を嫌がる体を起こす。 世界の万人が嫌うであろ…

切なる一瞬の願いを

明日の天気がどうだとか、明日の献立はどうだとか。それだけが生き甲斐に感じていた。 魔術の家系だとか、自分の境遇だとか、運命だとか生き方だとか。何も考えずに生きれる時間が一番好きだった。 それだけが自分を組み立てている世界だ。 聖杯戦争に参加す…

依存

二人には恐怖という感情があった。 自分が誰なのか、何者なのかという恐怖と、ある過去の記憶に捕らわれて逃げ惑う恐怖。 それが二人を構成していた、二人を鎖で縛っていた。 お互いに依存し合い、傷を舐め合い続ける事で取り敢えずは関係を保っていた。 た…

氾濫、錯乱

だらり、とたれる腕。だらしなく開いた口から零れる血混じりの涎。こめかみから流れる血液。ボロボロに汚れて切れかかったYシャツから覗く白い肌と、そこから溢れる血液。此奴、血液型って何型だったっけかな、と下らない事を考える。先の少し尖った仕事用の…

元幹部の成年

自分が何をしたいのかよく分からなかった。何故自分がこんな荒業を行っているのかも。何故自由を失ってまで手を鮮血で汚し、誰かに憎まれる様な所業をしなければいけないのかも。只、此処にしか居場所がない事はよく理解しているつもりだった。大勢の人に「…

意味無き青年の言葉

生きる、それがどういう事なのかいまいち理解できなかった。多分、私の生涯を通しても意味を知る事が出来ない言葉だと思う。何故、こんな自分がこの世界の理を得て生きているのか。何故、こんな自分がこの世界に生まれてきたのか。何故、何故。沢山の何故が…

彼の記憶

目が覚めた時には何処だかわからない天井を見つめていた。窓から入る風が白いカーテンを靡かせ、薬品混じりの匂いのする部屋を涼しくする。今の季節が春なのか秋なのか、冬なのか夏なのかはわからないけど、とにかく寝ていたであろう僕の汗ばんだ身体を心地…

ある少女の戯言

愛に形はない、っていうでしょ?そんなことないよ。ただ、よく形を変えるだけであって人間はそれをうまく表現できないだけなんだ。それでも、人間は色々な方法で愛を表現しようとする。例えば、歌。あれはよくある方法で一番わかりやすい方法だと思う。歌に…

罪と罰

私は、今日まで彼女と生きていました。それなりに、楽しく生きていました。命が終わりそうになった時に現れたのは、私の命を繋ぎ止める何かだった。そこから私の人生は波乱万丈で、辛くて、痛くて。誰かが言っていた。「私の人生なんて、この紙切れ一枚のよ…

【企画】高山商店街

何でも揃ってる、何でもある高山商店街へようこそ!青果店にマーケット、本屋に床屋に美容院、カフェなどなど全部が揃ってますよ!どうぞお越しくださいませ!《内容》店主、店員やお客様との交流が主なほのぼの企画です。沢山交流しましょう!《キャラクタ…

きずあと

たまに、感覚のないはずの足が痛む。何故だかはわからないけれど、凄く、凄くずきずきと痛む。小さい頃交通事故にあい、首の骨を壊した。幸いな事に、上半身までは動いてくれるのだけれど、歩くのに一番必要な足が永遠に、二度と自ら進む事をやめてしまった…

Reverse

空は青く澄み渡り、どこまでも行き渡っている。夏の頃より遠く感じる空を眺めながら散歩できる日がくるなんて、夢にも思わなかった。寒がりで酷い冷え性の私は外に出る事がずっと憂鬱で、家にひきこもっている事が毎日だったからとても嬉しい出来事。少し軽…

限りなく透明に近い

傷ついた体を引きずって逃げてきた。私は何も悪くない、悪くない、悪いのは神様だ。どうしてこんな運命を、強くない私にこんな辛い運命を与えたのでしょう。神様、貴方は試練しか与えないお方なのでしょうか。重たく、血で汚れきった体に鞭を打ち走り続ける…

凍てつく

変わらない世界。赤く染まった世界に見えた。 少年が銃を持って乱射している。 大人たちが少女を取り囲んで腰を振っている。 肥えた人間は金に貪欲だ。 貧しい人間は何もなく死んでいる。 なんと嘆かわしい事だろうか。唯一の蜘蛛の糸でさえ、神は垂らす事も…

アトランティック・パノラマ

「夕陽ちゃんひどいよ!なんでそんなこと言うの!?」「さすがにその言い方はないじゃん!」「最低、謝ってよ!」「みなちゃん泣いちゃったじゃん!」「夕陽ちゃん酷いことばっかり言うから一緒に遊びたくない!あっち行っててよ!」なんでそんな事になった…

My sunshine

僕には両親の記憶がない。いつのまにか薄暗い病院で、一人ベッドで寝ていた。いつからこの病院で寝ていたのだろう。外から見ればきっと酷く恐ろしい病院に見えるに違いない。僕にとっては唯一の家だったから、そんな風に思ったことはないのだけれど。一緒に…

どうしてこんな事を書く気になったのかは覚えてはいない。覚えていたところで、ここに書く気は起こらないだろう。理由なんて人それぞれだから、僕の理由だって他の人から見たらこれっぽっちの小さな欠片にしか過ぎない。その欠片がどれ程の人を動かすのかは…

Don't cry baby

腕のないあの子が友達を作ろうって言っていたのはいつ頃だっただろう。別に僕には全然関係のない事だったけれど、いつまで経っても友達のいなかった彼が珍しいって思った。正直できそこないで落ちこぼれ、成績優秀でもなく何も特徴のない彼だったから友達が…

World distraction

一息もつけない世界で生きていた。理不尽な人間の願いを叶え続けてきた神様は目を閉じていた。現実を見ないふりして人を引きずり込み、一般人に死神を与えもう一人の神様には飴を与えた。歪んで丸くはならない世界はこれ以上の犠牲を払い続ける必要などない…

【企画】ファミリア!

悲しまないで、そんな寂しい顔しないで。辛い事があれば頼っていいんだよ。家族になろう。幸せになろう。一緒に幸せになろうよ。孤児院ほのぼの幸せ交流企画です。ある街にある小さな家で、色んな事情を持った子たちを幸せにしようと思った疑似家族企画です…

空色エデンっ子

クラウス・バーテン 風属性いろり宅、モレナちゃんを守っている従者。機械なのだが、本人は機械だと自覚していない。生真面目であまり自分の性格を露わにする事がないが、本性は皮肉屋ニヒルな男。外見は20歳だが、実稼働年齢は2歳以上10歳未満。背中からは…

ブルグラっ子

桜満 八重吉八重桜から生まれた元気な少年。男だが、容姿が女性に見えるのでよく女に見間違えられる。いろり宅、風吹君とは幼馴染でルレーブ宅、都希君には首輪を付けられそうになる毎日。ちなみに好物は団子だそうで。元気だけが取り柄の少年。テリシラ・シ…

You aren't alone.

「生きて」そう言い残して旅立って行った貴方は元気でしょうか。廃人同然だった私に生きる意味を与えてくれた。そのお陰で私は今も元気で、恋い焦がれた空で生きています。色々変わってしまったけれど、それでも世界はゆっくりと変わっていっている。それも…

Human

「うわあ、何ここ凄いな」血の繋がらない双子の弟に連れられて茂みの中をその双子の兄ともう一人の妹と共に歩かされていた。10分くらい、薄暗くて生い茂った木々の中を歩いていたら綺麗な小川のある小さな森に着いた。「どうだ、凄いだろ」その弟は得意げに…

兄と弟

僕に弟が産まれた時は、「兄になるんだ」ってとても張り切っていた。両親からも信頼されて、「弟を、葵乃を大切にするんだよ」って言われた。僕がしっかりしなくちゃ、しっかりして、弟に兄貴らしいかっこいいところを沢山見せるんだ。そうして一緒に仲良く…

壇上の神様

恐れらて神様に奉られた。ご機嫌取りのため。少し力が強いだけ。少し魔法を使える力が強いだけ。奉られた偽物の神様は人の願いを叶えやしない。それはそうだとも。だって独りが嫌いだから。涙の跡は消えない。赤く腫れあがった目を擦って寝台から起き上がる…

天才学者の戯言

この優しい嘘で固められた世界をどうしても好きにはなれない。科学者でしかも逃亡の身だからそういう感覚になったというわけでもないし、ましてや麻薬を飲んだとかいうわけでもなかった。あの嘘つき少女に会ってからだ。自称「カミサマ」を唱えてはこの世界…

隔離病棟 うちの子

シルヴィア・ベルナルディ 24歳症状・サヴァン症候群 本を読んだだけで全てを記憶できる。それ以外はてんでだめな成年。人の顔を覚えたりする事もできない。性格・症状のせいで人見知りが激しい。会話はできるが、たまに噛み合わないときがある。「えーっと……

<企画>隔離病棟

此処は普通じゃない人の為の病院。イかれてるって?そりゃどうも。もう治る見込みのない、危ない人たち。まだ愛嬌が残ってるだけ、可愛いじゃない?中を覗いてみたら?普通の人にとっては、きっと忘れられない場所になるから。企画です。交流企画です。ある…

ナイホリっ子

ユニ・カルディナ(19歳)いまーじゅ宅、モニカちゃんから暴力を受け傷跡が残ってしまい、それを隠すために包帯だらけにまってしまった少女。臆病で、自分を隠したがる。傷跡がコンプレックスなためあまり露出した洋服は着ないが、街中で可愛い洋服を見かける…