小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

2016-01-01から1年間の記事一覧

依存

二人には恐怖という感情があった。 自分が誰なのか、何者なのかという恐怖と、ある過去の記憶に捕らわれて逃げ惑う恐怖。 それが二人を構成していた、二人を鎖で縛っていた。 お互いに依存し合い、傷を舐め合い続ける事で取り敢えずは関係を保っていた。 た…

氾濫、錯乱

だらり、とたれる腕。だらしなく開いた口から零れる血混じりの涎。こめかみから流れる血液。ボロボロに汚れて切れかかったYシャツから覗く白い肌と、そこから溢れる血液。此奴、血液型って何型だったっけかな、と下らない事を考える。先の少し尖った仕事用の…

元幹部の成年

自分が何をしたいのかよく分からなかった。何故自分がこんな荒業を行っているのかも。何故自由を失ってまで手を鮮血で汚し、誰かに憎まれる様な所業をしなければいけないのかも。只、此処にしか居場所がない事はよく理解しているつもりだった。大勢の人に「…

意味無き青年の言葉

生きる、それがどういう事なのかいまいち理解できなかった。多分、私の生涯を通しても意味を知る事が出来ない言葉だと思う。何故、こんな自分がこの世界の理を得て生きているのか。何故、こんな自分がこの世界に生まれてきたのか。何故、何故。沢山の何故が…

彼の記憶

目が覚めた時には何処だかわからない天井を見つめていた。窓から入る風が白いカーテンを靡かせ、薬品混じりの匂いのする部屋を涼しくする。今の季節が春なのか秋なのか、冬なのか夏なのかはわからないけど、とにかく寝ていたであろう僕の汗ばんだ身体を心地…

ある少女の戯言

愛に形はない、っていうでしょ?そんなことないよ。ただ、よく形を変えるだけであって人間はそれをうまく表現できないだけなんだ。それでも、人間は色々な方法で愛を表現しようとする。例えば、歌。あれはよくある方法で一番わかりやすい方法だと思う。歌に…

罪と罰

私は、今日まで彼女と生きていました。それなりに、楽しく生きていました。命が終わりそうになった時に現れたのは、私の命を繋ぎ止める何かだった。そこから私の人生は波乱万丈で、辛くて、痛くて。誰かが言っていた。「私の人生なんて、この紙切れ一枚のよ…

【企画】高山商店街

何でも揃ってる、何でもある高山商店街へようこそ!青果店にマーケット、本屋に床屋に美容院、カフェなどなど全部が揃ってますよ!どうぞお越しくださいませ!《内容》店主、店員やお客様との交流が主なほのぼの企画です。沢山交流しましょう!《キャラクタ…

きずあと

たまに、感覚のないはずの足が痛む。何故だかはわからないけれど、凄く、凄くずきずきと痛む。小さい頃交通事故にあい、首の骨を壊した。幸いな事に、上半身までは動いてくれるのだけれど、歩くのに一番必要な足が永遠に、二度と自ら進む事をやめてしまった…