ある少女の戯言
愛に形はない、っていうでしょ?
そんなことないよ。
ただ、よく形を変えるだけであって人間はそれをうまく表現できないだけなんだ。
それでも、人間は色々な方法で愛を表現しようとする。
例えば、歌。
あれはよくある方法で一番わかりやすい方法だと思う。
歌にしちゃえば簡単に誰かに届けることができるし、共感もしやすい。
体でだって表すことができるんだよ?
抱きしめたり、手を繋いだり、接吻でも構わない。性行為だって立派な愛の表現方法だ。
あれはあれで嫌いじゃない。
まあ空っぽなものだってあるけど。
数え切れないほどの表現方法がある中ででもだ。
人間はそれが本当の愛なのか、偽りなものなのかを判断できない。
だから形がないなんて言うんだ。
形はあるけど、ちょくちょく姿を変える愛に気づけないだけ。
凄く哀れだと思わないかい?
それなのに愛し愛されることを求める人間の姿が凄く可愛く思える。
でも人間は嫌いだけど。
あ、因みに暴力だって愛情表現になる時があるんだよ。
私の場合、自分に受けた暴力が愛情表現なのかはよくわからないけど。
自分だって理解できないくせに、上から目線でものを言うなって?
たしかに、理解できてない奴が上からものを言うなんて説得力がないね。
そんな事はどうでもいいんだ。
私が言いたいのは結局、「愛には形がある」っていう事なんだからね。
ああ、愛すべき愚かな人間。
私は君たちに賞賛を与えたい。
つかめる事のない形をした愛を死に物狂いで必死に追って生きていく君たちをね。
死んじゃえ。