小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

罪と罰

私は、今日まで彼女と生きていました。それなりに、楽しく生きていました。
命が終わりそうになった時に現れたのは、私の命を繋ぎ止める何かだった。
そこから私の人生は波乱万丈で、辛くて、痛くて。
誰かが言っていた。
「私の人生なんて、この紙切れ一枚のように薄っぺらだわ」
それなら、悪魔だとか化け物だとか、呪われた子だとかで酷い扱いを受けてきた私の人生は、何と等しいのだろうか。
小さい器量だな、もっと人生を楽観視しなきゃ。
そんな戯言を呟いた。
でもちゃんと笑顔で生きてきた。
皆がわからないように、誰にも気づかれないように、必死に笑顔でいた。
そのおかげで何人からは「へらへらできて羨ましい」と言われたけど。
頑張って笑顔でいるんだよ。
君だって、作ろうと思えばいくらでも仮面なんて作れるんだよ。
悪魔が囁こうとした。
ダメだよ、きっと他の皆は素直なんだ。
私は嘘つきだから、笑顔でいれるんだよ。
そんな戯言を呟いた。

沢山、嘘をついた。
嫌われることもしてきた。
皆から何を言われようとも、私は必死に生き抜いた。
背中はボロボロで、足はガタガタ。
手はもう武器を握れないで、目は何処か虚ろなまま。
それでも笑顔でいた。
「もういいよ」
誰かがそう言った。
優しくて、暖かい温度。
痛みがじわじわと溶けて、ゆっくりと頬を伝った。
涙。
痛みと悲しみ。
嬉しさ。
会いたい、会いたかった。
「もういいんだよ」って言ってくれる誰かを欲しがっていた。
頭のどこかで諦めていた願い。
今、私に叶った夢。
初めて、「笑顔」という仮面が落ちた。