小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

It is a prayer as a wish.

Don't cry baby

腕のないあの子が友達を作ろうって言っていたのはいつ頃だっただろう。別に僕には全然関係のない事だったけれど、いつまで経っても友達のいなかった彼が珍しいって思った。正直できそこないで落ちこぼれ、成績優秀でもなく何も特徴のない彼だったから友達が…

You aren't alone.

「生きて」そう言い残して旅立って行った貴方は元気でしょうか。廃人同然だった私に生きる意味を与えてくれた。そのお陰で私は今も元気で、恋い焦がれた空で生きています。色々変わってしまったけれど、それでも世界はゆっくりと変わっていっている。それも…

Human

「うわあ、何ここ凄いな」血の繋がらない双子の弟に連れられて茂みの中をその双子の兄ともう一人の妹と共に歩かされていた。10分くらい、薄暗くて生い茂った木々の中を歩いていたら綺麗な小川のある小さな森に着いた。「どうだ、凄いだろ」その弟は得意げに…

兄と弟

僕に弟が産まれた時は、「兄になるんだ」ってとても張り切っていた。両親からも信頼されて、「弟を、葵乃を大切にするんだよ」って言われた。僕がしっかりしなくちゃ、しっかりして、弟に兄貴らしいかっこいいところを沢山見せるんだ。そうして一緒に仲良く…

壇上の神様

恐れらて神様に奉られた。ご機嫌取りのため。少し力が強いだけ。少し魔法を使える力が強いだけ。奉られた偽物の神様は人の願いを叶えやしない。それはそうだとも。だって独りが嫌いだから。涙の跡は消えない。赤く腫れあがった目を擦って寝台から起き上がる…

天才学者の戯言

この優しい嘘で固められた世界をどうしても好きにはなれない。科学者でしかも逃亡の身だからそういう感覚になったというわけでもないし、ましてや麻薬を飲んだとかいうわけでもなかった。あの嘘つき少女に会ってからだ。自称「カミサマ」を唱えてはこの世界…

傷跡半分ロボットヒューマン2

小さい頃は、まだ何もできないただの子供でよく泣いていた。転んだだけで泣いたり、寂しくて泣いたり。そんな時はいつも母親が俺を助けにきてくれた。暖かい、あの大きな腕で抱きしめて頭を撫でてくれて。大好きだった。あの大きい暖かい腕の中が大好きだっ…

全ての話

少女は立っていた。世界の中心に立って、役者たちを見つめていた。瞳の色が違う彼女は、泣いている。いや、嗤っていたかもしれない。目の「病気」を持ち合わせた者たち。異能を持ち合わせた化け物。一般人なのに「セカイ」に巻き込まれた人間。それぞれの世…

それは願いのままに

「ね、最近ミラージュって何かあったの?」 隣にいる赤髪に話しかける。 僕が急にそんなこと言ったのが悪かったか、お酒を口に含んでいた彼は咽せ始めた。 空っぽの謝罪を言うと、彼は少し引き気味に「え、なんでそんなこと聞くんだよ…」と答えた。 「なんか…

もう一度

「I never...」それは言わないっていう事で。それを合図と受け取った彼奴が、彼の「心臓」を奪う、引きちぎる。やめて、お願い、見せないで。ああ、綺麗な「心臓」が。もう聞こえない彼の音に。私は綺麗な宝石を頬にこぼす。もう会えない。無理だよ。なんで…

傷跡半分ロボットヒューマン

「あっ…ぐっ…」鋭い激痛が身体中を走る。その痛みに頭は叩き起こされた。…何時間この地面と睨めっこをしていたのだろうか。もう記憶もない。あのお転婆で兄嫌いの妹と戦闘して、そこからの記憶にない。「ぐっ…くっ…そ…、かはっ…」口の中に鉄の味が充満する。…

赤と緑

「殺してやる!!!!!!!!」 彼女の口から出るとは思えない様な言葉が出て来た。 いつもは能天気な性格を見せているが、やはり化け物。 獲物を猟る様な化け物の目にゾクゾクする。 「Han?今組み敷かれてるのはお前だぞ?どうやって殺すってんだsignorina…

3人

「あはっはっはっははははっははっはははははっはは!!!!!!!!!」「やめて!!!!!お願いやめて!!!!!」「ねえ何をやめるって言うの???ねえ!!ほら!!!!教えてよ!!!!!」「やめて!!!!それ以上私の中で暴れないでよ!!!!!!…

澄んだ瞳と紅い空

化け物は真っ黒な瞳で言う。「わたしをみないで」僕は何度も言う。「僕を見て」化け物は意気地なし。僕は蒼い目を向けて言う。「僕の名前を呼んでよ」化け物は翠の眼で言う。「…私を見ないで」何度も、何度も、諦めないで呼ぶ。「僕の名前を呼んで」「お願い…