小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

澄んだ瞳と紅い空

化け物は真っ黒な瞳で言う。

「わたしをみないで」

僕は何度も言う。

「僕を見て」

化け物は意気地なし。

僕は蒼い目を向けて言う。

「僕の名前を呼んでよ」

化け物は翠の眼で言う。

「…私を見ないで」

何度も、何度も、諦めないで呼ぶ。

「僕の名前を呼んで」

「お願い…。私を見ないで…」

「ねえ」

「そんな眼で私を見ないでよ!!!!!」

手で顔を覆う化け物は、泣きわめく。

白い髪は揺れる。

手の隙間から青い雫が落ちる。

か細い声で言う。

"Желание -- Без этого видит меня --"(お願い…。私を見ないで…)

紅い空の下。

僕は始めて化け物に触った。