小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

You aren't alone.

「生きて」
そう言い残して旅立って行った貴方は元気でしょうか。
廃人同然だった私に生きる意味を与えてくれた。
そのお陰で私は今も元気で、恋い焦がれた空で生きています。
色々変わってしまったけれど、それでも世界はゆっくりと変わっていっている。それも全部、貴方のお陰なのでしょうか。
世界に変革を求め、楔を打ち込み、人々から戦いを取り上げた貴方を人々は「英雄」、そう、「ヒーロー」と称えている。
英雄なんて言葉は貴方に似合いませんね。
沢山の犠牲を払って手にした幸せと変革は、私はどうしても幸せとは思えない。
手を血塗れにして、数え切れない程の命を奪い未来をも失った。
そんな私に幸せは必要ない。
幸せがどれほど私には苦痛なものでしょうか。
それに、貴方がいないと生きている張り合いがない。
幸せと感じる事もできない。
恋の感覚には程遠い感情。
私は待ってる。
またこの世界に貴方が帰ってくる事を。
帰ってきて、「おかえり」を言う人がいないように、寂しくないように。
一人にはしないから。
もう少しだけ、私から幸せを取り上げてください。
罰を、この手で命を葬った罰を与えてください。
それでも私は生き続ける。
この世界に変革をもたらした者として、世界を見守ろ続ける。
自我がなくなったとしても、貴方が帰ってくるまで。