小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

儚き夢を

私は、この世界に生まれた時から、貴方に出会うと約束されていた。
この世に偶然など、一つもない。
これは、全て神様が計画して作られた事で、それはとても儚き夢。
なんて美しい、なんて壊れやすい。
こんな意地汚い死の神へも幸せを与えてくれた。
「この世界には一人ぼっちで生きている人など、一人もいない」
…もしかしたら、この言葉は本当なのかもしれない。
人は一人で生きてはいけない。
なんせ皆、生まれた時からお互い助け合って生きている。
「自分は孤独」なんて思わないで。
大丈夫、誰かがちゃんと側にいてくれている。
だから、私はもう一度彼の元に行こう。
今は愛しあえる事はできないけれど、彼の元に行って、「大丈夫、側にいるよ」って言ってあげよう。
それができるのはまだ遠い未来の事かもしれないけれど、時間をかけて、ゆっくり手を繋いであげよう。
それが、今私ができる最愛の事だ。



「なんて美しい世界だろう」
「ねえ、僕、いつかちゃんと君の事、愛せるかな」
「大丈夫。貴方がちゃんと愛せなくても、私が、これ以上もない愛を、幸せを、与えるから」
「…僕、今は不幸だけど、いつかの未来では、幸せになっていると思うんだ」
「…そうだね」

嗚呼、神様。
貴方がいるのかはわからないけど、もし、私達が一緒になることができたのならば。
もし、私達が人間に戻れるとしたのならば。
今度こそは、私も、彼も、



「幸せに、なりたいです」