小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

全ての話

少女は立っていた。
世界の中心に立って、役者たちを見つめていた。
瞳の色が違う彼女は、泣いている。
いや、嗤っていたかもしれない。
目の「病気」を持ち合わせた者たち。
異能を持ち合わせた化け物。
一般人なのに「セカイ」に巻き込まれた人間。
それぞれの世界を見ていた。
癒されることない顔の傷をそっと撫でる。
別に自分が神話に出てくる極悪人「ロキ」ではないが、それによく似たモノだと思う。
同じ悪魔だ。
幸い人間の血も引いている。
馬鹿らしい。殆ど人間ではない。
優しい心を嘘で固めた悪魔。
彼女を言い表すにははその言葉だけで十分だった。