小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

アトランティック・パノラマ

「夕陽ちゃんひどいよ!なんでそんなこと言うの!?」
「さすがにその言い方はないじゃん!」
「最低、謝ってよ!」
「みなちゃん泣いちゃったじゃん!」


「夕陽ちゃん酷いことばっかり言うから一緒に遊びたくない!あっち行っててよ!」



なんでそんな事になったのかな。
どういう風に言っていいのかがわからなくて、ただ素直な気持ちを言っただけなのにな。

幼稚園にいた時はずっと一人で遊んでた。
私はあまりに「素直すぎる」感想を述べていただけで、前にいつも一緒に遊んでいた女の子たちと喧嘩をして仲間外れにされていた。
怒らせるようなつもりはなかったのだが、いつも怒らせてしまっていた。
寂しくても謝れなくて、気がついたら一人になっていた。
両親は共働きで家でも一人の幼い私には、誰かに「助けてもらう」という事はできなくなっていた。
全部一人でやっていかなきゃいけないというよくわからない考えを貫こうと突っ走っていた。
それもまあできるはずがなく。


「あれ、夕陽また一人で遊んでるの?」
それでも、この人たちはいつも一緒にてくれた。
「…風邪ひいちゃうよ?中入ろう?」
側にいて、励ましてくれた。
「…うん」
いつか、ありがとうを伝えたくて、伝えられなかくて、既に何年も経っている。
だから、言葉にできなくても態度で表そうと思っていたけど、不器用だから少し難しい事だった。

言えると良いな、ありがとうと。
表せたら良いな、感謝の態度を。
ずっと一緒にいて、側にいてくれてありがとう。
今まで守られていた分、今度は私がまもるから。
「2人とも、ありがとう。これからもずっと一緒にいてほしいな」