そんな貴方に花束を
「嘘つき」
狼少年は孤独だったそうな。
嘘を吐きすぎて皆に嫌われて最後は死んだ。
そういう話だってレインから聞いた。
なんて可哀想。
イルは「自業自得な話だ」って言っていた。
そう思えないのは私だけ。
皆自業自得だって思ってる。
彼は嘘つきだ。
いつか死んでしまうのではないのだろうか。
悲しみの波に溺れ死んでしまうのではないのだろうか。
失う悲しさは、誰もが知っていて、私が一番知っている。
だから、今度は、私が助けてあげよう。
小さな手で、大きい手を引っ張って。
そして、照れるかもしれないけど、大きな花束を渡してあげよう。
いつもは見せられない、満面な笑みで。
似合わないって?
それは、そんな事はないはず。
だって、神様は、皆笑顔が似合う顔に作っているんだ。
そうだろう?
ねぇ、リン。
私は君が私を助けてくれた時から大好きで、大好きでたまらないんだ。
だから、君が喜ぶような花束を、本当の笑顔を見せてくれるような花束を渡そう。
嘘つきだけど、優しい。
そんな貴方に花束を