小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

ある少女の戯言

愛に形はない、っていうでしょ?
そんなことないよ。
ただ、よく形を変えるだけであって人間はそれをうまく表現できないだけなんだ。
それでも、人間は色々な方法で愛を表現しようとする。
例えば、歌。
あれはよくある方法で一番わかりやすい方法だと思う。
歌にしちゃえば簡単に誰かに届けることができるし、共感もしやすい。
体でだって表すことができるんだよ?
抱きしめたり、手を繋いだり、接吻でも構わない。性行為だって立派な愛の表現方法だ。
あれはあれで嫌いじゃない。
まあ空っぽなものだってあるけど。
数え切れないほどの表現方法がある中ででもだ。
人間はそれが本当の愛なのか、偽りなものなのかを判断できない。
だから形がないなんて言うんだ。
形はあるけど、ちょくちょく姿を変える愛に気づけないだけ。
凄く哀れだと思わないかい?
それなのに愛し愛されることを求める人間の姿が凄く可愛く思える。
でも人間は嫌いだけど。
あ、因みに暴力だって愛情表現になる時があるんだよ。
私の場合、自分に受けた暴力が愛情表現なのかはよくわからないけど。
自分だって理解できないくせに、上から目線でものを言うなって?
たしかに、理解できてない奴が上からものを言うなんて説得力がないね。
そんな事はどうでもいいんだ。
私が言いたいのは結局、「愛には形がある」っていう事なんだからね。
ああ、愛すべき愚かな人間。
私は君たちに賞賛を与えたい。
つかめる事のない形をした愛を死に物狂いで必死に追って生きていく君たちをね。


死んじゃえ。

罪と罰

私は、今日まで彼女と生きていました。それなりに、楽しく生きていました。
命が終わりそうになった時に現れたのは、私の命を繋ぎ止める何かだった。
そこから私の人生は波乱万丈で、辛くて、痛くて。
誰かが言っていた。
「私の人生なんて、この紙切れ一枚のように薄っぺらだわ」
それなら、悪魔だとか化け物だとか、呪われた子だとかで酷い扱いを受けてきた私の人生は、何と等しいのだろうか。
小さい器量だな、もっと人生を楽観視しなきゃ。
そんな戯言を呟いた。
でもちゃんと笑顔で生きてきた。
皆がわからないように、誰にも気づかれないように、必死に笑顔でいた。
そのおかげで何人からは「へらへらできて羨ましい」と言われたけど。
頑張って笑顔でいるんだよ。
君だって、作ろうと思えばいくらでも仮面なんて作れるんだよ。
悪魔が囁こうとした。
ダメだよ、きっと他の皆は素直なんだ。
私は嘘つきだから、笑顔でいれるんだよ。
そんな戯言を呟いた。

沢山、嘘をついた。
嫌われることもしてきた。
皆から何を言われようとも、私は必死に生き抜いた。
背中はボロボロで、足はガタガタ。
手はもう武器を握れないで、目は何処か虚ろなまま。
それでも笑顔でいた。
「もういいよ」
誰かがそう言った。
優しくて、暖かい温度。
痛みがじわじわと溶けて、ゆっくりと頬を伝った。
涙。
痛みと悲しみ。
嬉しさ。
会いたい、会いたかった。
「もういいんだよ」って言ってくれる誰かを欲しがっていた。
頭のどこかで諦めていた願い。
今、私に叶った夢。
初めて、「笑顔」という仮面が落ちた。

【企画】高山商店街

何でも揃ってる、何でもある高山商店街へようこそ!
青果店にマーケット、本屋に床屋に美容院、カフェなどなど全部が揃ってますよ!
どうぞお越しくださいませ!

《内容》
店主、店員やお客様との交流が主なほのぼの企画です。
沢山交流しましょう!

《キャラクター設定》
できるだけ普通のキャラクターでお願い致します。
店主、店員、お客など、その他増やしてもらいたいものがあれば企画主に言ってください。

《お店》
一般的なお店もあれば自分が考えたお店でもなんでもありです。
ブラック企業などのお店はあまりオススメできません。

《その他》
近くに学校もあるので生徒を考えていただいて構いません。教師などもありです。


今はこんな感じです。
じゃんじゃん交流しましょう!

きずあと

たまに、感覚のないはずの足が痛む。
何故だかはわからないけれど、凄く、凄くずきずきと痛む。
小さい頃交通事故にあい、首の骨を壊した。
幸いな事に、上半身までは動いてくれるのだけれど、歩くのに一番必要な足が永遠に、二度と自ら進む事をやめてしまった。
それ以来ずっと車椅子での生活を強いられた。
最初の頃は不便でままならくてお風呂もトイレも一人で行けなかった事をよく覚えている。
泣きじゃくりながら練習をして高校生になった今は一人でお手洗いに行くことができる。
首も骨を壊したから体調の変化が激しく、手伝って貰う日も数え切れないほどあったけれど、それでもちゃんと生活できるほどに成長できた。
変われることができて嬉しかった。
それなのに。
「ごめん」

ずっと謝ってくれている。
ずっと私の側にいてくれる。
あなたのせいじゃないはずなのに、あなたが悪いわけじゃないはずなのに。

あの日、私の世界が一変してしまったあの事故の日を、彼はずっと悔やんでいた。
小学生最後の一ヶ月、桜の蕾がぽつぽつと増え始めた頃に私は幼馴染の彼を呼び出した。

「悠真、たしか陸上の強い中学に行くんだよね」
元から明るかった彼の、小鳥遊 悠真の髪が春風に揺れている。
「…うん、だから祈とは中々会えなくまるけど、休みにはこっちに帰ってくるから、大丈夫だよ」
大好きな悠真の優しい笑顔、私が今の学校に転校してきた時から変わらない、悠真の笑顔。
大丈夫だよ、その言葉に決心が揺るぎそうになる。
だめだ、決めたのに。悠真は違う道に進むのだから、頑張れ、私。
「そっ…か…」
私は顔を俯かせた。
嫌われる事を覚悟して、優しい悠真の最後の笑顔を脳裏に焼き付ける。
「ねえ、悠真」
「…なあに?」
震えて小さくなる声を振り絞って、拳をぎゅっと握って、顔を上げる。
「中学に行ったらね、私の事、忘れてほしいの」
ざああ…と木の靡く音がする。
悠真の唖然とした顔にそっと微笑み。
その顔はすぐに険しい顔になって、「なんで、なんで忘れろなんて言うんだよ!」と、珍しく声を荒げた。
瞳に涙が浮かび上がりそうになるのを必死に堪えて、私は思い切り息を吸った。
「陸上を本気で目指すんでしょう!なら、その道に私がいたらきっと、大事な選択の時に邪魔になっちゃうよ!だから、」
悠真の険しい顔を見るのが辛い、出来ることならもうここから逃げてしまいたかった。
だめだ、ちゃんと最後まで伝えよう。
「だから、お願い…私を忘れて…!」
心がずきずきと痛む。
悠真が私を救ってくれた。
都会の学校から転校して田舎の学校のクラスで一人浮いていた私の友達になってくれたのは、まぎれもない悠真だった。
その恩人である悠真を今度は私が引き離そうとしている。
勝手だってわかってはいた。
だけど、大切な夢を私のせいで諦めて欲しくない。
悠真の夢は私の夢だから。
彼の険しい顔は段々と歪み、泣きそうになっていた。
「なんで、どうして…!俺…俺は…!」
そしてすぐに私の方へ向いて、悠真が叫んだ。
「祈のっ、ばか!!!」
それは捨て台詞だった。
そのまま後ろを向いて駆け出した悠真。まだお別れ言っていないのに、まだ行かないで、ちゃんと、訳を話させて!
「悠真!待って!!」
すぐに走って追いかける。
必死で走って、走りまくって、悠真が届きそうというところで。
クラクションが盛大に鳴り響いた。
「悠真!!!!!!!!」



一瞬だった、私たちの、いや、軽い私の体が綿のように浮かんで地面に叩きつけられたのは。
クラクションが盛大に響いた瞬間に、私がは悠真の腕を掴んで後ろに引っ張った。
その反動で私は道路に投げ出せる形になり、小型トラックと衝突した、
体が動かない。
頭がボーッとする。
大好きな悠真の声が響く。
よかった、怪我してなさそうだね。
これでまだ走れるね。
「もっと…はしって…」


それから悠真は陸上の道に進むことをやめた。
やめなくて良かったのに、諦める必要なんてどこにもなかった。
笑わなくなって、心を閉ざしてしまった。
悠真のせいじゃないはずなのに、いつも私を見ては苦しげな顔を見せ、そっぽを向く。
それがどうしようもなく悲しくて、痛くて、苦しくて。
悠真はあの日以来、ずっと「ごめん」と言い続けることになった。
そうしてしまったのは誰でもない。
紛れもなく、自分勝手な選択をして結果悠真を一生拭えることのない傷を負わせてしまった雪村 祈、私だった。

Reverse

空は青く澄み渡り、どこまでも行き渡っている。
夏の頃より遠く感じる空を眺めながら散歩できる日がくるなんて、夢にも思わなかった。
寒がりで酷い冷え性の私は外に出る事がずっと憂鬱で、家にひきこもっている事が毎日だったからとても嬉しい出来事。
少し軽くなった症状はいつまた元に戻るかはわからないから、今のうちに出掛けてしまおうと思った事が切っ掛けだった。
たいした事ない理由だけど、散歩に出る事自体が私にも、唯一の肉親である兄にも大きな出来事で。
『大丈夫なの、一応マフラー持って行ったら?』
そう兄に急かされて取り敢えず持ってきたマフラーを小さく小洒落たショルダーバッグに収める。
ずっと付けていたマフラーだから愛着があった。
手放す事はしないだろうけども、やはり付けていないと少し首周りが変な感じがする。
肌寒さを覚えた体を暖める為に、小走りで人の少ない街路を行く。
誰かと一緒に歩く事が出来たのならば、この道を歩いてくれる人がいたら良いのに。
そう心の中で願った言葉は、冷たい秋風とともに消え去って行った。
自分の記憶の中にある、あの仲の良かった男の子に、もう一度会えるのなら。
寒がりだった私とずっと一緒にいてくれたあの、黒髪の。


それ以上は思い出せないけど、ありがとう。
私は今でも元気に生きてるよ。

限りなく透明に近い

傷ついた体を引きずって逃げてきた。
私は何も悪くない、悪くない、悪いのは神様だ。
どうしてこんな運命を、強くない私にこんな辛い運命を与えたのでしょう。
神様、貴方は試練しか与えないお方なのでしょうか。
重たく、血で汚れきった体に鞭を打ち走り続ける。
思考の廻らない頭の中は「逃げろ」という赤い文字が浮かんでいる。
どこまで逃げればいいのか、私にはわksらない。
何度も転び、頭を打ち、灯りが見えた先で、私の目には希望があった。
家が建っていた。誰もない小さな家。
永遠にそこで住もう。誰も邪魔できない私一人の。

限りなく透明に近い存在として、私は、貴方に愛された。
傷ついて治らない体を愛してくれた。
人間ではない彼の暖かい手に握られて、でも怖かった。
温もりを感じたことのない私にとって、その暖かさが恐怖だった。
得体の知れない、何か。
それでも、貴方は、それでも。

愛で満たされた私と、愛で満たしてくれた貴方だけで、私は、永遠に幸せになれた。

限りなく透明に近い存在の。

凍てつく

変わらない世界。赤く染まった世界に見えた。

少年が銃を持って乱射している。
大人たちが少女を取り囲んで腰を振っている。
肥えた人間は金に貪欲だ。
貧しい人間は何もなく死んでいる。
なんと嘆かわしい事だろうか。唯一の蜘蛛の糸でさえ、神は垂らす事も赦さない。
鉄の塊を持ち、鉛を投げつけ、大地を奪い合い、血を流す。何千年も前から繰り返される悲劇。
余程人間は戦う事が好きと見える。
「平和主義者」なんて言葉はまやかしに過ぎない。言葉の建前だらけで裏に隠している凶暴な獣は一体何だ?
目の前にいる震えた少女。此奴も世界の餌食に見える。
光を宿さぬ目、現実などそこには存在しない。
だけど、彼らはそれが不幸だなんて思ってはいない。
いま目に写っているモノ全てが自分に課せられた『運命』だと、自覚はしている。
それを不幸だと思っているのは、戦いを知らない、幸せな環境に、国に生まれた人間たち。
自分たちは幸せだと、どこまでそうだと言えるかな。
だが、彼らも貪欲だ。
何かと自分の考えていなかった出来事が起きるだけで、ヒステリックになり、『自分は不幸』だと喚き散らす。
そうじゃないのか?
そんな風にして『もっと幸せにしてください』などと羞恥の心もなくよく叫べるものだ。
イかれてる。
 
あれは、どこから生まれたのだろう。
何処からともなく現れた『存在』であるあの白い髪の少女の姿をした何かは、ただ淡々と無心に人間の願いを叶えていた。
金を、富を、名声を、知識を、分け隔てなく、与えていた。
そうしていく中で、あれもまた、意識を身につけ、知識を身につけ『力』を身につけていた。
何を思ったのか、『セカイ』まで作り出したあれはその『セカイ』に閉じこもっていった。
それだけの犠牲者が出たのだろう、大剣を抱えた少年は『セカイ』に背こうと、あれに歯向かっていった。
それなのに、自分の存在を否定することゆるさないあれは、容赦なく、血の固まった何かへと変わっていった。
一体どれだけ時代が変わっていって、『セカイ』が変わっていって、そこに住む『神様』が変わっていってしまったとしても、人間も、この世界の条理も、何一つ変わりやしない。
絶望した。自分の為すべき姿は、一体どんな利益を齎すのか。
無条理な世界で、抗うこともせずに、俺は、一体。