人間
寂しくなんてない。
たとえ兵器として扱われていたって、寂しくなんてない。
でも、人を殺す度に?胸を締め付けるこの思いはなんだろう。
「此処がお前の入るグループだ。ま、精々頑張れよ。お前は兵器なんだからな」
上司がいなくなった後にドアを開けた。
どうせまた同じ扱いを受けるだろう。
平気だ。絶対。
…平気?
「ようこそおおおお!!!!何年ぶりの新人だろうなああ!!!」
入った途端、いきなり飛びつかれたので条件反射で思い切り背負い投げをしてしまった。
「…あ」
どだああああっと酷い物音を立てながら倒れる人。
またやってしまった。
「あ、大丈夫?」(でも助けない)
「あー、平気よー。何回か投げられた事はあるし、そこまで脆くないわー」
いや、頭から血が出てる時点で大丈夫ではないだろ。
「なゆちゃんだうよね?ようこそ!問題児が集まるグループへ!って言ってもまだ私だけなんだけどね!」
「…あんたが私の上司?」
「?上司??あー、なるほど。報告書にあった通りねえ…。私は上司じゃないのよね。なゆのサポーターよ!」
「…サポーター…??」
「そ。二トラ・レイよ。よろしく」
この時、何故だか始めての「友達」を、いや、「仲間」を手に入れたと思った。
彼女は私を唯一人間として見てくれる、大事な仲間になった。