むにむにしてると怒られる彼氏
相変わらず鬱陶しいと思う。
「ミラージュ〜遊ぼ〜」
だんだんと苛立ちが募る。
「ねーってばー…」
「煩いって。あっちいってろ」
彼にあっち行ってろと言うように手をひらひらさせる。
カレルは「む…」と唸り、少しの間だけ俺の側から離れた。
これで何事もなく仕事ができる、そう思っていた。
むにっ。
俺の頬を何気なく突いてくる細い指。
「ねーミラージュ〜かまってよ〜」
こいつは…いい加減にしてほしい。
そんな事を思いつつ、無視して仕事にのめり込む。
だがそんな俺を無視できない隣の鬱陶しい彼は、平然と俺の頬を永遠と突いてくる。
「ねええーミラージュー!」
「えええええいうるせええええええ!!!!!!!」
対カレル専用のスパナを取り出し、傷をつけない程度で殴る(殴った時点でアウトなのだが)。
結局は後で殴ってしまったかわりにこいつの相手をしたわけだが、やはり嫌いになれない。
俺も結構物好きなのかもしれない、と思ったのは心の中にしまっておくことにする。