そんな彼奴が嫌い…ではない
「なんなんだよ彼奴!!!!」
先程カレルに口説かれそうになった。
むかつくくらい、綺麗な顔で。
なんなんだ、いったい。
「ったく…、思いっきり殴ったけど大丈夫かな…」
こんな20後半のおっさん口説いたところでなんになると言うんだ。
頭の中で色々な思考が巡る。
恋愛感情を持たなかったことはない。
だけどこの歳までいくと何もかもがどうでもよくなる。
だけど、さっきのカレルのおかげで捨てたはずの感情がみるみる蘇っていく。
『口説いていい?』
カレルの言った言葉が蘇る。
「…う、あ…」
また顔に熱がこもる。
最悪だ。
俺はあんな奴が好きなのだろうか…。
いや、嫌いじゃないだけだ。
「でさ、さっきの答え聞かせてほしいんだけd」
「るせー!!!!!」