小説と独り言

趣味で書いているオリジナルキャラの小説と、なんか愚痴ってます

不意打ちするとこうなる

別に期待したかったわけではなかった。
ただあの光を見たかっただけであって。



「…グリプス2が修復されてたなんて…」
その言葉だけが頭に残る。
まあなんせ私たちは政府のお尋ね者だったし、そんな事あってもおかしい話ではなかった。
別に全てがさあっと始まってさあっと終わるなんて話を信じてたわけじゃない。
こんな事態に備えて一応色々な所を修復しておいたのは正解だったのかもしれない。
ただ、メガラニカが問題だ。
その中にはあのジオンのお姫様もいるわけでして。
あのデカ物を、コロニーレーザーが発射される前に動かすなんて事無理だった。
頭の中で会議が始まってそろそろオーバーヒートしそうになった時。

「メガラニカ周辺に、サイコフレームを張ります!!」
最初は冗談かと思った。
まだあの装置は未解明だし。
ほんとに成功するかわかんないし。
どれぐらい広がるかもわかんないし。
なのに彼はやってみせた。
少女の言葉を糧にやってのけた。
黒き獅子と共に。



可能性を信じる事は間違っていない。
その可能性を、次に生まれてくる子供たちに渡そう。
そしたら、きっと。
私のような人が生まれてこなくてすむような世界を。
作り上げられる。
そんな気がするんだ。




「どうせ知ってたんでしょ?」
「…何を…」
グリプス2が修復されたって話。そしたらあんなに必死にネェル・アーガマの修復作業にとりかからなかったもんね」
全く。
全部お見通しってわけか。
「まあまあ、あの子のおかげで生きてるんだし。いいってことよ!」
「あんたが言うな!!」
思いっきり殴られた。
あー、不意打ちするとこうなるのね。
殴られて視界が歪む中、ふっと見えた『彼』と『彼女』の姿は。


いや?後ろ姿だけだったけど凄く幸せそうだった。