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「はぁ…、なんで学校なんてあるんだろうな…」
「聯也ってそれしか言ってないよね、毎日」
通学中だった。
自分が通っている学校へと続く道をいると、途中で伊豆紘奈に遭遇した。
相変わらず無表情無機質、可愛くない奴。
発する言葉も可愛げの無い。
でも正義感があるからか、女子と一部のオタク系からは大変の人気っぷりである。
もちろん、俺はオタクでもないから全くを持って興味が無い。
篠宮聯也こと、俺は相変わらずなのである。
「おっはよー!彼氏を差し置いて浮気かい?」
「ちげーよ、バカ。つか、俺ホモじゃねぇし」
「なんだと!?」
「このド阿呆!!!!」
今来て早々失礼な事言ってきたのは、黄秣奏太。
よくわからないが、俺によく突っかかってくる。
相手をするのが面倒だ。
「いやぁ、聯也を揶揄うのは楽しいからね。そいやさっきようやくできたんだ。新しい武器」
「まじ?あとで見せろよ」
唯一趣味で釣り合うのは、趣味の武器鑑賞と、創作すること。
なんせ俺らはリアルゲームの廃人だ。
リアルゲームの説明は、また今度。
取り敢えず、人間同士がネットに入ってお互いの能力を使って戦う事だ。
つまりはシュミレーションゲーム。
これがやり始めたら止まらない。
武器はルールを破っていなければ改造はOKだし、それに能力保持者ならばその能力をルール以内でならば使う事も可能。
現実で貯まったストレスを解消するにはぴったりのゲームだ。
因に俺は元から能力を持っていない為、奏太が改造したり作ったりした武器を借りてなんとかゲームをプレイしている。
奏太はさっきの突っかかってくる事を除けば、良い奴なのだ。
多分おれが知っている中で(男子の中なら)2番目に常識人だ。
1番は誰かって?
それはー…。
「おはよー」
噂をすれば(してないけど)なんとやらだ。
ナイスタイミングで来てくれやがったこのやろう。
このやろうはいらなかった、ごめん。
「おはよう、フィリップ」
「おはよう、紘奈。相変わらず無表情だね」
フィリップ・スタビティだ。
「ふぁー…、おはよ」
因に隣にいるのはヴィオラ・P・ミスティだ。
この二人は魔法が使える。
便利な能力を持ったもんだ。
「女子が大欠伸をするなよ。また俺にかける悪戯を考えてたのかい?」
「母親かあんたは。まぁね、気に食わないのに、イケメンだと詠われているスタビティ様を笑い者にすべく、悪戯をかんがえていたんだよ。しかも天才的なのを」
「別に俺はイケメンじゃないけどな。あと悪戯に天才も何もないだろう」
「うっさい、このハゲ爺」
「爺!?」
いつも通り、愛の入っていない会話だ。
というか、どれだけフィリップが気に入らないのだろうか、ヴィオラは。
見ていると殆ど悪戯しかしていない。
というか、悪戯をしている所しかみた事がない。
どうなってんだ、彼奴の脳みそは。
まさか脳みその殆どが「悪戯」というキーワードで埋め尽くされているのでは。
そんなくだらない事を考えていると、もう目の前には学校があった。
「さて、今日もお仕事しますっかー」
俺は腕に「生徒会長」と書かれている紙を安全ピンで止め、少し賑やかな校舎内を歩き始めた。