二人の小さな神様
『はぁ…』
此処は、何も無い場所。
別に暗いわけでも、明るいわけでもない。
本当に何も無い場所で、ただ一人、人の死を待つ。
『……今日は何も、出てこない。人の死もない。別に、何が起こるわけでも、ないのに』
何もない場所で、一人、座り込む。顔を足の間に埋める。
…誰か来たらしい。どうせ、また彼なのだろう。
『何、また揶揄いにでも来たの』
ワタシはいつも来る彼が苦手だった。嫌われ者で一人のワタシの所にいつも来るから。なんだって来るのか知らないが、ワタシを見てはいつも笑っているからだ。ムカツク。
『え?揶揄うなんてとんでもない。僕は君と仲良くなろうと思って、いつも此処に来るんだよ』
なんでかなぁ。君のその言葉が凄く嬉しかった。けど、何でかなぁ。素直になれないのは。
『…仲良くなんて、よく神が死んだ神に言えるもんだね』
『えぇ…?だって、仲良くなりたいんだから、話しかけるのは普通じゃない?会話しなければ、仲良くなるも何もないでしょ…?』
…なんなの、此奴。ワタシの「中」に、ズルズルと入り込んでくる。分からない。
『それに、僕は君の事が、とても気になるんだ。心から仲良くなりたいって思えるんだ』『…は?』
気になる?なんで、此奴が、ワタシの事を、何で。
『会った時、君がとても奇麗な人だってわかったんだ!』
『…は?え、あ、は!?!?』
ワタシはその時初めて、顔が火照るのがわかった。
此奴、恥ずかしくないんだな…。でもそこまで言われると、何故か、後に引けない。
『…しょうがない…。良いよ』
『え?何が??』
自分から言っておいて、何、此奴。
でも、何故だろう。つい口元が緩んでしまう。
『仲良くしても良いよ』
今まで笑った事ないけど、笑い方を知っている。多分結構ぎこちない笑顔だ。
まぁ、此奴にはそんなの関係ないよね。笑ってあげたら、それだけできっと此奴は喜ぶ。『…!!うん!!』
そして、人間の世界に迷い込んだ。
また再開するのは、もっと後の話
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いえええええええええええやあああああああああああああ。
はい。華楽さんと螢さんの話。正確には死神さんと、自然の神様のお話。
ていうわけで終わります。ひゃっはー